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雨の日のお茶会 [創作童話]

童話書きました。お暇があったら読んでみてくださいね。

雨の日のお茶会

サラは7歳の女の子です。
山のお家でおじいさんと2人で暮らしていました。
サラのお父さんはお仕事で遠くに行っていて、
お母さんはもういません。

おじいさんは木こりさんでした。
毎日山で木を切っています。
サラはおじいさんと一緒に山にでかけては、
おじいさんがお仕事をしている間、
少し開けた野原で一人あそんでおりました。
サラは歌が好きだったので、お花を摘みながら、
綺麗な声で歌いました。

サラのきれいな歌声につられて、
うさぎや、ネズミや、リスたちが
現れました。
動物たちは少しずつ近づいてきました。
サラは動物たちと仲良しになりました。

でも、雨の降る日はおじいさんはお仕事に行けません。
サラもお家で、一人でおままごとです。
おじいさんは木彫りで上手にお皿やお茶碗を作ってくれました。
サラは歌いながら、おままごとのお茶をいれました。
お客様がいないなあ。
ウサギさんたち、どうしているかしら。

その時、トントン、と壁を叩く小さな音がしました。
振り返ると、下の小さな穴から、ネズミさんが顔をだしました。
そして、綺麗な花びらを一枚くれました。
これで、お茶をいれてね。
サラは言われた通り、お茶を入れました。
花びらは一枚しかなかったのに、お茶はきれいなピンク色。
優しい甘い香りです。
サラはふんわりいい気持ちになって、そのまま眠ってしまいました。

目覚めると、そこは薄い緑色の壁紙に、花模様のカーテンの
かわいらしいお部屋でした。
サラは見知らぬ部屋のソファで眠っていたのです。
ビックリしたサラはあたりを見回しました。

木のテーブルの上にはお茶の用意ができていて、
かわいらしい女の子たちがすわっていました。
あら、起きたわよ。
ほんと、ご挨拶しなくちゃ。
女の子たちは立ち上がって、サラの周りに集まりました。

だれ?サラはびっくりして聞きました。
あら、わからない?
いつも遊んでいるじゃない。
ほら、野原で。

あ、そうか。
サラはすぐに気づきました。
大きな目の白いドレスの子はウサギさん。
グレーのドレスの小さな子はネズミさん。
茶色のドレスにポニーテイルはリスさん。

すぐに仲良くなって、みんなで楽しくお話しをしました。
それから輪になって手をつないで歌いました。

私たちね、雨の日はこうして集まるの。
また雨がふったら、遊びに来てね。

ええ、きっと。

と答えたところで、目が覚めました。

翌日、サラのお父さんが迎えに来ました。
お父さんは今度はずっと長い間、外国に行くことが決まって、
サラも連れていくことにしたのです。

それから、長いこと、サラはおじいさんのお家には行けませんでした。
お土産にもらった、おじいさんのお茶碗で、
おままごとをするたびに、
特に雨の日には、不思議なお茶会を思い出すのでした。

トントン、って壁を叩く小さな音が、
今にも聞こえてきそうな気がして、
会えないお友達を思って、サラは一心に歌いました。

何年か後、サラは有名な歌手になりました。

        おわり
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extraway

夢のような話、というのは現実に起きて欲しいもの、というのは誰しも願うものなんでしようね。夢がそのまま現実の次元というのも、恐ろしい出来事だったりすると、これは大変です。というようなことはありえないこととしてしあわせなことは、そのままに生き続けて欲しいな。消えずにいてもらいたい、という願いの実現する世界は理想郷に近いのかも・・・・・・・とオモイマス。

羽生君が、相変わらずの活躍ですね。浅田さんについてのぶーけさんの心境はどうなんでしょう?
by extraway (2017-04-04 07:04) 

sknys

サラという名前の少女が気になります。
歌手ではサラ・ヴォーン、サラ・マクラクラン、サラ・オレインしか
思い浮かびませんが‥‥。

ジョージ・マクドナルドの「軽いお姫さま」を久しぶりに再読しました。
王女と王子と魔女の物語‥‥本場の英国ファンタジーはエグいですね^^;
by sknys (2017-04-07 00:20) 

ぶーけ

extrawayさん、
夢のようなこと、がたとえ夢の中でも起こって、
幸せな感情を持っていられたら、それは素晴らしいことだと思います。
羽生君、すごいですね。^^
真央ちゃんについては、なんてタイムリーなんでしょう。
引退発表がありました。
私は真央ちゃんが幸せに生きてくれればそれでいいです。
娘を思う、母のような気持ちです。

sknysさん、
サラ、という名前、特に意識はしてなかったけど、思い出すのはサラ・ベルナールです。昔宝塚で舞台になったので、印象に残ってます。(観てないけど)

軽いお姫様、私は昔「軽い軽い王女」という翻訳で読みました。
最後はちょっとほろ苦かったですね。
私なら軽いままでよかった、って思ったのを覚えています。
by ぶーけ (2017-04-11 08:10) 

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